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叫ぶ私が飛ばされたのは、魔王城のメイド達が集まる宿舎。
その大広間に現れた私にメイド達は心底驚いていたが、泣きじゃくる私を何も知らないのに暖かく抱きしめてくれた。
その温かみはお父様と似ており、私は溢れてくる涙を止めることが出来なかった。
「ふぅ。嫌な思い出ね」
私は過去の思い出に浸かっていた思考を、浸かっていた浴槽から出ると同時に消し去る。
水の滴る躰を掛けてあったタオルで拭きとり、もう一度ベッドに潜り込む。
魔王である私の朝は早い。
私の様な被害者をこれ以上出さない為にも、早急に人間を始末しなければならないのだから。
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