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子供が描いた絵を想像して思い浮かべて欲しいのだが、つい二週間前の事である。
俺達がいつもの様に畑を耕していた時、空から一筋の光が流れてきたのだ。
真紫に光るそれは、凄い速さで流れて行き、ある程度まで行くとスッと消えてしまった。
その時は、あぁ珍しい事もあるもんだなぁ、なんて思いながら普通に仕事を終えた。
だがしかし、問題が発生したのはその翌日。
俺達の子でもある存在の土に異変が起きたのだっ!
「な、なんでいこれはああああ!!!」
そんな隣さんの声に叩き起こされた俺は、文句でも行ってやろうと外に出た。
「うるせえぞ馬鹿垂れ!! 今何時やと――」
「黙れファージッッ! これを見ろやい!」
「ん……? な、ななな、なんじゃこりゃあああああ!!!」
俺達の手塩を掛けた、愛娘と呼んでも過言じゃないそれは――
『干からびとるううううううう!!!!』
面影も無く、ひび割れたぱさぱさの土へと還っていたのだった……。
「と、いう事で俺は無事無職になったとさっ!! めでたしめでたしって、これっぽっちもめでたくないんだけどおおおおお!! 収入ゼロなんですけどっ!!」
もう嫌だよ俺はっ!!
もう何日も風呂に入っていない汚れた頭を掻き毟り、冷たい木造の床を転げまわる。
あぁ、神は……神は居られぬのか……。
そんな悲愴染みた声を上げようとも、何の意味もないわけで。
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