10人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
誰しも、「結婚」というものに夢を抱いているものだ。
女性なら尚更のこと。
かく言う私も、もちろん夢がある。
素敵な男性と出会い、恋に落ちる。
その男性というのが、自分よりも3,4つ年上で、落ち着いた大人の格好良い男性。
いつもスマートにエスコートしてくれて、記念日などにはサプライズなんかも用意してくれる。
更に年収もそこそこあれば尚良し。
そんな彼から突然のプロポーズ。
場所は夜景の見える素敵なレストラン。
スっと差し出された小さな箱には、綺麗なダイヤがあしらわれた指輪。
そして私は、涙を流しながら小さく頷くんだ。
その後、皆に祝福されながら結婚式を挙げて、子供ができて、笑顔の溢れる素敵な家庭を築く。
そして、おじいちゃん、おばあちゃんになっても仲良く隣りで笑っている。
そんな夢を抱いている。
しかし、夢と現実は違うものだ。
ソファで寛ぎながら本を読んでいた私は、ちらりと台所の方へと視線を向けた。
そこには、鼻歌混じりで料理をする彼の姿があった。
カウンターキッチンとなっているため、彼のその楽しそうな顔がソファに座っている私からもしっかり見える。
最初のコメントを投稿しよう!