夢と現実

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彼とは大学時代に知り合い、付き合い始めた。 気の合う友人からのスタートだったため、付き合うことにも「まぁ良いかな」という軽いノリで付き合い始めた。 大学を卒業後からは同棲を始め、現在に至る。 (そもそも、最初から理想とかけ離れてるんだもんなぁ) そんなことを思いつつ、私は小さく息を吐いた。 彼もルックスは悪くは無いと思う。それでも標準か、少し下くらい。いわゆる、普通というやつだ。 仕事は普通のサラリーマン。 趣味は料理。今も夕飯の仕込みと言って台所で作業をしている。 一緒にいて気を使わず、今のように同じ空間にいてもお互いが好きなことをしている。 そんな空気感が心地良くて、かれこれ付き合って5年が経つ。 それでも、彼は私の理想とは全く違うのだ。 「大人の格好良い男性」とはかけ離れている。 やはり理想は夢でしかないのだろうか。 そんなことを考えながら、私は再び小さく息を吐くと、本へと視線を向けた。 私はしばらく本を読むことに没頭していたが、少し肌寒さを感じ始めた。 季節はすっかり秋。 暖房などを入れるまででは無いが、足元が少し冷たく感じる。 (温かいコーヒーでも飲もうかな)     
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