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「まさか。ちゃんと結婚後にも続きがあるんだから。結婚したら子供を生んで、笑顔が溢れる家庭を築くの。そして、おじいちゃんやおばあちゃんになっても周りから『あの2人はいつも仲良いね』って言われながら、ずっと隣りで笑っていられたら良いな」
「…それは、すげぇ良いな」
今まで話していた声音とは違う彼の言葉に、私はゆっくりと彼へと視線を向けると、彼は優しく笑いながら私を見つめていた。
「じゃあ、その夢の叶え方、知ってるか?」
そう尋ねてきた彼に、私は小さく首を振った。
すると、彼はあの得意げな笑顔を私に向けた。
「簡単だよ。俺と結婚すること。俺がその夢、叶えてやるよ。だから、俺と結婚しよう」
自信たっぷりにそう言う彼に、どこからその自信は湧いてくるのかと思いつつ、私は小さく笑った。
それと同時に、言葉には表せない温かな感情が、じわりと胸に広がっていくのを感じた。
「…こんなプロポーズの仕方で、本当に夢叶えてくれるの?」
「もちろん!お前の夢は、全部俺が叶えてやるよ」
尚も自信満々という感じで言う彼に、私は再びクスリと笑うと、手に持っていたマグカップを前のテーブルに置いた。
そして、ゆっくりと彼の方を向き、ソファの上に正座をするように座った。
「…よろしくお願いします」
私は手を前で合わせながら体をゆっくりと倒し、お辞儀をしながらわざとらしく丁寧な口調で言った。
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