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そう言われると意識してしまい、組んで仕事をしている内になんとなくそういう関係になったが、正直紅峰はそれほど獅堂の好みではなく、ストライクゾーンギリギリといった所だ。
「紅峰くん男の子だからね。まず日本の法律変えないと」
男の子と言っても紅峰はもう29だ。獅堂はその紅峰の腰を引き寄せた。
「昨日来たの、8時過ぎだろ。まだ来ないんじゃないか。暇だからエッチでもする?」
「獅堂さん・・・」
紅峰は、項に擦り寄る獅堂の顔を両手で掴み上げ、正面から睨んだ。
「なんで8時過ぎだって知ってるの?」
電話が鳴っていたのがそれ位の時間だったからと頭の中で答えながら、獅堂はしまったという顔をした。
「居留守使ったんだ。昨日ほんとに何してたの?」
怒っている。物凄く怒っている。獅堂はその尖った唇を啄ばんだ。
「そんなに怒らないでよー。ごめんね」
獅堂は紅峰を抱きかかえて、破れたソファに押し倒した。
「獅堂さん、私のこと・・・どうでもいいと思ってるでしょ・・・ん・・・今度居留守なんか使ったら・・・独りで現場乗り込・・・」
「それは言うな」
松永の思い出を色褪せさせるには弱い紅峰の顔を引き寄せて口づけた後、両手で頬を掴んで見つめ合いながら獅堂は囁いた。
「どうでもいいわけがないだろ、テツ」
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