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細い道路の出口に停車していたマリネの小型車の向きが先程とは逆にされており、カギヤを乗せるのは思いのほか楽だった。
「本当に気が利くな。オメェいい嫁さんになれるぜ」
「ん~ボクが?だったら班長がなってくださいスよ。そして裸エプロンしてほしいス」
後部座席のドアを閉めたアザミは運転席に近づくと、窓を開けたマリネに言った。
「そんじゃ二人を頼んだぜ。俺は今からカギヤの車に乗って、片岡のオヤジに報告と届けもんだ」
「あ、これ。班長が言ってた通り、氷動くんが持ってたスよ」
カギヤの車のキーを受け取りながら、アザミは言った。
「……オメェ、キーを探したついでに氷動に妙なことしてねぇだろうな?」
「重傷者に?まさか!ズボンのファスナーを下げて楽にしてあげたら、凶暴そうなワイルド野郎が見えちゃいましたが、それは不可抗力っスよね?」
「なに?」
「こんなスーパークールビューティーな顔からは、想像できない巨大凶器だったスよ。一瞬このボクが抱かれていいかもって、思っちゃったレベルっスから」
「おい!」
アザミが真剣な表情でマリネを叱った。
「なんで上官より先に見てんだよ!」
「怒る場所そこなんスか!ん~冗談スよ。っていうか、股間を見るタイミングに階級の上下って関係あるんスか?」
「ったく、オメェの冗談は笑えねぇぜ。んじゃ、二人を頼んだぞ」
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