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そう言うと、マリネの額にお守り代わりのキスをした。
「了解ス」
任せてと言わんばかりの笑顔を返したマリネは、窓を閉めると車を滑らかにスタートさせた。
「ん~『もんぐり先生』って名前、いつ聞いてもなんかエロいっスよね」
ぶれることのないマリネのシモネタに、白衣を着た門久利医師が、眉間にシワを寄せつつ真面目に返す。
「現在は、モグリと名乗っているが」
「でも本名は『もんぐり』なんスよね?」
マリネは、自分の尻を隠す仕草をしてみせた。
「やっぱり、この辺がそわそわするっス」
「マリネ君がそういうことばかり言うから、私まで気になり始めて……私は一度気になり出したら、頭から離れなくなってしまう性分なんだ!」
「ん~でも、医者の名前が『モグリ』って方が、よっぽどダメな気もするスけど……」
「卑猥に聞こえるとか、君が言い出さなければ良かったんだ!原因は君だ!」
「院内ではお静かに」という張り紙が目に入り、モグリが慌てて口をつぐむ。
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