【12】命いらずの男

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 そう言って、氷動の病室へ行こうとしたアザミに、 「あの……アザミ班長」  再びモグリが、言いづらそうに声をかけた。  アザミは一瞬、緊張した。 「何か問題でも?」 「その……マリネ君も病室に連れて行ってくれませんか?」  察したアザミは苦笑いすると、マリネに注意した。 「おいマリネ!モグリ先生を困らせちゃダメだろう?」 「ボク困らせてなんてないスよ?」  けろっとした顔でマリネが答える。 「すみません、先生。もうちょっとだけ、相手をしてやっててもらえませんか」 「はぁ」  モグリが情けない声を出した。  そんなモグリの肩に、ポンとマリネが手を置いた。 「ん~モグリ先生、元気出してくださいス」 「原因は君だ!」 「あ!そういえばボク、お見舞い用に作った動画集もってきてたっス。先生、待ってる間に一緒に観ようス」
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