【12】命いらずの男

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 以前、休憩中にスタッフたちに見せてもらった、面白動画のような(たぐ)いだろうか?  マリネと二人きりで変態じみた会話をさせられるより、よっぽどマシだと思ったモグリは快諾した。  テレビモニターでも見られるとマリネが言うので「それなら大きい画面で観よう」と院長室、すなわちモグリの個室に移動した。  マリネは自分のスマホとテレビモニターを手際よく接続し、その間モグリはお茶を用意した。  準備が完了した二人は、テレビの前のソファに座った。 「それじゃ、スタートっス」  見舞いの品が動画とはマリネ君らしい。  本当は仲間想いの良い子なのかも知れない。  モグリはマリネを見直した。  その直後「マニアックすぎる無修正動画集」が大画面で始まり、モグリは派手にお茶を吹き出した。  病室のドアがノックされて、スルスルと静かに横に開いた。  アザミが声をかける。 「入るぜ、氷動」
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