1506人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし警察という立場である以上、どのような理由があるにせよ法律に反する行為は認められない。
例えば重要な証拠であっても入手方法が違法であった場合は、裁判において採用されないように。
そこで警察組織とは別に、違法行為も含めて手段を一切選ばずに捜査に協力するチーム「96」を極秘に発足したというのだ。
改めて片岡が氷動を見た。
「ここまで話せばもう分かるだろうが……氷動、君には今後『96』の一員として活躍して欲しい」
ひるむことなく氷動も美しい獣のような眼で、片岡を力強く見つめ返す。
「はい。ご期待に添えるよう尽力致します」
「うむ。頼んだぞ」
片岡の言葉を氷動が快諾したといえば聞こえも良いが、握手をした瞬間から答えは一択しかなかった。
決して世間にその存在を知られてはならない、違法なチームの正体を知ってしまったのだから。
・「96」メンバーたちには、優秀な能力とハイリスクを考慮し、作戦完遂ごとに破格の報酬が約束されている
・「96」の存在が表沙汰になった場合は、警察によって非公式に作られた特殊チームであることを警察は一切認めない
・「96」に関わる情報を守るために、班全員を闇に葬る場合も考えられる
一作戦ごとに命を大金で売り渡すということか。
最初のコメントを投稿しよう!