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「そんじゃ、いる」
「……え?」
「俺たちの班にオメェは必要だ」
どういうことだ?
アザミ班長は逃亡した自分を闇に葬るために、わざわざ自ら追って来たんじゃないのか?
だから先ほど、アザミ班長から毒を飲まされ……。
そこまで考えて、あれから随分と時間が経っていることに氷動は気付いた。
薄明りの中で今まで誰にも話したことのない自分の過去話をしていたことや、アザミの声やフェロモンに魅了されていたことによって時間の感覚を失っていたのだろう。
知らぬ間に激しい痛みが治まっていた。
そんな氷動の様子に気づいたアザミが笑顔で言った。
「どうだ、ちったぁ楽になったか?」
「はい……でも班長」
無表情ではあったが、氷動が戸惑っているのが伝わってくる。
その「楽になる」というのは、氷動の考えていた「死」ではなかった。
腹部の負傷による痛みが治まり「楽になって」いたのだ。
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