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「一昨日、D港の倉庫で爆発事故があったニュース、知ってるか?」
手荷物を机に置きながら、アザミが言った。
「ええ、テレビと新聞で。ガスが原因だったんですよね?パイプが老朽化し、漏れたガスに引火したと」
カギヤの言葉に氷動が続ける。
「ネットでも。確か、ちょうど港を警戒していた警官が四名、爆発に巻き込まれて負傷したとありました」
「ありゃ事故じゃねぇ。外部に情報は出しちゃいないが、本当は黒沼が仕掛けた罠にやられたんだ」
アザミの言葉に、カギヤと氷動は顔を見合わせた。
「ゲームショップから命懸けでカギヤと氷動が持ち帰った調査結果を、俺たちで解析することにした」
アザミが、自分とマリネを親指でさす。
「そこでマリネに『どんぶりマシン』でゲームショップにあったパソコン一台分、丸ごとコピーしたデータをメインで担当してもらったんだが」
「……『スーパー大食いちゃん』ス」
ちゃんとそこは訂正するんだなと、カギヤは少しホッとした。
「主に店の売上計算や在庫管理用などに使用していたらしく、それ以外は特に怪しいデータは入ってなかった」
カギヤはゲームショップの事務所の中にあったものを思い出しつつ、氷動を見た。
「そうでしたか……でも他に電子機器は、なかったよね?」
「はい。パソコンはこれ一台のみで、書類棚も事務机の中も、カギヤさんに鍵を開けてもらい全部確認しました」
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