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「つまりあのゲームショップはシロ(怪しい点はない)だったということでしょうか?」
心配そうに、カギヤがアザミに尋ねる。
「いや、それが後から出てきたんだ。ゲームショップから店員たちが逃げ出す際に削除したと思われるデータの復元に、マリネが成功した」
「すごいじゃないですか!」
「それには、これから取扱う予定の拳銃の種類や取引先予定のリスト、拳銃の商品見本として実物を受け渡す場所と日時のメモなどが、含まれていた」
「まさに我々が探していた『極秘データ』だったんですね!……え?もしかして!」
「ああ、その受け渡し場所として記されていたのが、一昨日爆発した倉庫さ。捜査員たちが潜入した直後に爆発した。死者が出なかったのが幸いだ」
氷動がアザミに質問した。
「倉庫の持ち主は『屋多野組』だったんですか?」
「いや違う。だが、その倉庫の持ち主である会社は、実際には存在していなかった」
「黒沼は、ペーパーカンパニーまで用意していたんですか……やくざでなければ、きっと知能犯になっていたでしょうね」
カギヤが呆れたように言った。
そして落ち込んでいるマリネの肩に手を置くと、優しく声をかけた。
「爆破事件に関しては、マリネちゃんだけが責任を感じることじゃないよ」
「責任はまったく感じてないス」
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