【15】黒沼の罠

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「つまりあのゲームショップはシロ(怪しい点はない)だったということでしょうか?」  心配そうに、カギヤがアザミに尋ねる。 「いや、それが後から出てきたんだ。ゲームショップから店員たちが逃げ出す際に削除したと思われるデータの復元に、マリネが成功した」 「すごいじゃないですか!」 「それには、これから取扱う予定の拳銃の種類や取引先予定のリスト、拳銃の商品見本として実物を受け渡す場所と日時のメモなどが、含まれていた」 「まさに我々が探していた『極秘データ』だったんですね!……え?もしかして!」 「ああ、その受け渡し場所として記されていたのが、一昨日(おととい)爆発した倉庫さ。捜査員たちが潜入した直後に爆発した。死者が出なかったのが幸いだ」  氷動がアザミに質問した。 「倉庫の持ち主は『屋多野組(やたのぐみ)』だったんですか?」 「いや違う。だが、その倉庫の持ち主である会社は、実際には存在していなかった」 「黒沼は、ペーパーカンパニーまで用意していたんですか……やくざでなければ、きっと知能犯になっていたでしょうね」  カギヤが呆れたように言った。  そして落ち込んでいるマリネの肩に手を置くと、優しく声をかけた。 「爆破事件に関しては、マリネちゃんだけが責任を感じることじゃないよ」 「責任はまったく感じてないス」
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