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「もしゲームショップから本物の『極秘データ』が見つかっていたら、作戦完遂ってことで、俺の体を張った捜査は無駄になっちまうところだったけどな」
と、軽口までたたく。
「毒には毒を。黒沼のような手段を選ばねぇ奴には『96』が相手をしてやる。裏の世界じゃどんな手を使っても、最後に笑った奴が勝ちだ」
アザミの人を惹きつける堂々とした低い声は、この班が「最後に笑ってきた者たち」なのだという自信を氷動に感じさせた。
「絶対に『極秘データ』を入手してやろうぜ!」
「了解!」
アザミが檄を飛ばすと、氷動、カギヤ、マリネの声が一つになって応えた。
班長のアザミを中心とした各個人の能力と、信頼で結ばれたチームワーク。
それが「アザミ班」の最大の武器なのである。
氷動とカギヤのベッドがある病室が、今回はそのまま作戦会議室になった。
皆で情報を共有するために用意されたホワイトボードには写真や資料がマグネットで留められ、ペンで補足が書かれていく。
モグリ医師にマリネのパソコンの持ち込みの許可をもらい、病室の奥に新たに机を運び込むと専用の仕事場が作られた。
マリネは席に着くなり、軽快な音を立てながらキーボードのキーを高速で打ち始める。
「ん~。F市の高級質店、ノワールっと」
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