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アザミが黒沼から聞き出した、現在「極秘データ」があると思われる店を仲介した不動産会社を探しているようだ。
「ん~……あれ?ないスね」
マリネの声を聞いたアザミがやって来た。
「高級質店ノワールが実在するってのは、オヤジが確認したぞ?」
そう言うと、ノワールの外観写真が添付された資料をマリネの手元に置いた。
「ん~それじゃ『ノワールになる前』の、ここの住所に関わっていた不動産会社を探すっス」
マリネは再びキーを打ち続ける。
「……あ!見つけたっス!以前この住所には、輸入インテリアの店があったらしいスね。建物の外観が現在と同じだから、ノワールは居抜き店舗みたいス」
それを聞いたカギヤが補足した。
「居抜き店舗だと、前の持ち主から店舗の設備が揃っている状態で購入するから、一から準備する新築と違って、すぐ営業が開始出来るメリットがあるね」
「黒沼の野郎は、金や時間をかけないで『極秘データ』の別荘もすみやかに用意していたってわけか」
そう言ったアザミに、マリネが印刷した用紙を数枚手渡す。
「ノワールになる前の店の間取り図っス」
「おう。さすがだな」
これがあれば部屋や廊下、階段の配置など店内の構造が、アザミたちにも大体分かるのだ。
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