【16】氷動の能力

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「ゲームショップが閉店される直前まで、捜査員が撮影していた店内の写真、お借りしますね」 「あ……ああ」  大量の写真を手にして、氷動は自分のベッドに戻っていった。  広く感じられるようになった氷動の背中を見送りながら、アザミがポツリと呟いた。 「ワイルドな巨大凶器か……」  カギヤが調査依頼をしようと、マリネのところへやってきた。 「マリネちゃんに幾つか調べてほしいんだけど、いいかな?」 「なんでも言ってくださいス。あいつら丸裸にしてやるっス!」  小悪魔から進化して、魔王のような笑みを浮かべているマリネを見て「絶対、敵にまわさないようにしよう」とカギヤは密かに思った。 「えっと……間取り図が変わっていないか確認するために、出入りしたリフォーム業者がいるか、それと鍵を販売した店、あと防犯装置も……」  アザミは片岡警視長から渡された屋多野組(やたのぐみ)の最新の内部事情と、黒沼派の組員について徹底的に洗い直しているところだった。 「おい、カギヤちょっといいか」 「はい」  マリネに調査依頼内容を伝え終わったカギヤを、アザミが呼び止めた。  そして強面(こわもて)な男たちの顔写真が並んだ資料を手渡す。 「こいつらは黒沼派、つまり屋多野組(やたのぐみ)の中でも黒沼に直接ぶらさがっている舎弟たちだ。見知った顏はあるか?」
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