【02】最悪な顔合わせ

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 氷動自身は「眼鏡をかけさえすれば、片岡警視長のように目立たない存在になれる」と、思っていたのだが……。 「顏を変えた方が、早いんじゃないか?」  そんな気がしてきた。  しかし片岡には、そこまで言われてはいない。  自分が「96」に引き抜かれた理由を考えれば、今後の任務に「顏」は関係ないだろうからな。  でもそれなら伊達眼鏡をかける必要もないんじゃないか?  アザミ  突然、その名前が頭をよぎった。  片岡は部屋を出る直前、こう言っていた。 「氷動、君は『96』の『アザミ班』に入ってもらう。ただ班長のアザミは任務に関しては優秀な人物だが、少々問題があってな」  それを聞いた氷動が「暴力的な班長なのだろうか」と思っていると、 「遊び人というか、アイツは無節操なんだ。君も容易(たやす)く誘惑されんようにな」    と、苦笑いされたのだ。
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