【18】小さな棘

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「ここを調べるのは、君にお願いしていいかな?」 「了解」  氷動は理由を聞かずに、自分の近くにある袋から怪しい物がないかを手早く確認していく。  カギヤは物置の奥に設置された机の上に置かれた、モニターを見ていた。  それは監視カメラの映像だった。  映されている部屋の配置から、どうやら三階らしいと分かる。  モニターの隣りに置いてある装置にはスイッチやボタンが複数あり、点灯している赤いランプの下に小さく「録画中」と文字が見える。 「本来の時間に警備担当の瀬田がいたら、山下はこの椅子に座りモニターを使って監視する役で、西沢が店内を警備するという役割分担だったのかもね」  カギヤは監視カメラの装置をいじりながら、何かを慎重に確認しているようだった。 「……あ、なるほど、マリネちゃんが教えてくれた通りだ」 「特に変わったものはなさそうです」  調べ終わった氷動が近づいて報告すると、 「ありがとう。監視カメラのデータ消去ボタンあったよ」  と、装置の側面にある小さな蓋を開き、白い文字で「消去」と書かれたボタンを見せた。 「どうする?」
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