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「ここを調べるのは、君にお願いしていいかな?」
「了解」
氷動は理由を聞かずに、自分の近くにある袋から怪しい物がないかを手早く確認していく。
カギヤは物置の奥に設置された机の上に置かれた、モニターを見ていた。
それは監視カメラの映像だった。
映されている部屋の配置から、どうやら三階らしいと分かる。
モニターの隣りに置いてある装置にはスイッチやボタンが複数あり、点灯している赤いランプの下に小さく「録画中」と文字が見える。
「本来の時間に警備担当の瀬田がいたら、山下はこの椅子に座りモニターを使って監視する役で、西沢が店内を警備するという役割分担だったのかもね」
カギヤは監視カメラの装置をいじりながら、何かを慎重に確認しているようだった。
「……あ、なるほど、マリネちゃんが教えてくれた通りだ」
「特に変わったものはなさそうです」
調べ終わった氷動が近づいて報告すると、
「ありがとう。監視カメラのデータ消去ボタンあったよ」
と、装置の側面にある小さな蓋を開き、白い文字で「消去」と書かれたボタンを見せた。
「どうする?」
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