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氷動にも、カギヤのこの言葉の意味は理解出来る。
・ここで監視カメラの電源を切ってから三階へ向かう
・監視カメラはそのままにして、逃走の際にデータを消去していく
状況に応じて二人で選ぶ予定だったのだ。
「逃走時に確実に余裕ができるとも、現時点ではまだ分かりません。電源を切ってから行きましょう」
氷動は迷わず自分の考えを伝えた。
「分かった」
氷動の意見を聞き終えた瞬間、カギヤも迷わず監視カメラの電源を切った。
二人が慎重に三階に上がっていくと、廊下には誰もいないようだった。
薄暗い廊下の突き当りに付けられた監視カメラのランプは、ちゃんと消えている。
三階もマリネが入手した間取り図で確認した通り、階段のすぐ右には物置のドアがあり、左には手前から部屋が二つ、広めの物置という順番で廊下沿いに並んでいた。
階段のすぐ右にある物置は、間取り図では二階の物置と同じ仕様となっていたのだが、二人が見比べたところ一つだけ大きく違う点がある。
あきらかに二階の物置よりも、ドアの鍵が厳重になっているのだ。
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