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そしてとうとう重い下突きが氷動の右腹部の銃創に突き刺さり、激痛のあまり思わず膝をついてしまった。
ドスッ!
「……うぐぅっ!」
信じてくれとカギヤさんに言った以上、彼が「極秘データ」を見つけるまでは絶対に持ちこたえなければ……!
だが、西沢がここまで強いとは……このままじゃ勝てない……何か弱点はないのか?
その時、氷動は頭の位置が低くなったことで、ある物の存在に気が付いた。
ん?あれは……!
「おらぁ、まだ寝るのにゃ早ぇぞ!おっと、まずは、おめぇらの正体も聞かねぇとなぁ?」
胸倉をつかんで立ち上げようとした西沢の額を目がけて、いきなり氷動は強力な頭突きを喰らわせた。
ガンッ!
「ぶふっ!」
そして不意をつかれて大きく体勢を崩した巨体の背後にすかさず回り込み、テーブルに置かれていた黒沼宛のアザミの手紙をつかむと、西沢の鼻と口を覆ったのだ。
「むぐっ……っ、ううっ!ううっ!ぶはっ!かっ……体が熱い!……テメェ!なにをした!」
むせながら西沢が、力任せに氷動を振りほどく。
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