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しかしアザミのフェロモンを大量に吸い込んだ西沢は急激な体調の変化に混乱してしまい、なぜかガチガチの最大に勃っている自分の股間に思わず目がいってしまったのだ。
その一瞬のタイミングを逃さず、氷動がバネのようなしなやかさで下から思いっきり垂直に蹴り上げる。
バキャアッ!
硬質なブーツが西沢の顎にクリーンヒットし、骨が砕けたような嫌な音が響いた。
巨体が後方に吹っ飛ぶ。
ダアァンッ!
蹴られた勢いで壁に後頭部までをも強く叩きつけられた西沢は、ズルズルと崩れるように座り込んで動かなくなった。
「裏の世界ではどんな手を使っても、最後に笑った奴が勝ちだ」
強い奴ほどアザミ班長のフェロモンは効果あり、と聞いておいて良かったと思いながら氷動は呟いた。
そして氷動は自分までフェロモンにあてられないように注意しながら、証拠を残さぬように手紙を封筒に入れて回収した。
よし、すぐにカギヤさんと合流だ。
氷動はそう頭では分かっていながら、何かがひっかかっている気がして足が動かなかった。
なんだ?
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