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ザバアァアアン……!
そんな黒沼の車を見ながら、氷動は胸が熱くなるのを感じていた。
氷動は大ジャンプをする直前、アザミが「俺たちの班にオメェは必要だ」と言った声が聞こえた気がしたのだ。
そして「自分と仲間を信じろ」という言葉も。
もしも以前のように、自分の命に価値を見出せていない状態のまま黒沼から追跡をされていたら、柵に激突して川に落ちていたのは自分だったかも知れない……。
ちなみに氷動の背中のリュックサックには、アザミから黒沼に宛てた手紙、二人分の覆面、綺麗に折り畳まれたカギヤが潜入時に着用していた黒い服が入っていたのであった。
ゲームショップ潜入の時とは違い、今度こそカギヤの手から直接、片岡警視長にノートパソコンが届けられていることだろう。
「任務完了。帰還します」
そう呟いた氷動を乗せたバイクは、アザミ班のメンバーたちが待つ闇の中へと消えて行ったのである。
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