【000】エピローグ

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 その熱に溺れそうになりながら、一旦、空気を求めてアザミは唇を離し、 「…………俺も欲しかったぜ……ヒドウ」  と、甘い声で囁くと嬉しそうに微笑んだ。  それは今まで誰にも見せたことのない、アザミの表情(かお)であった。  絡み合った二本のネクタイと共に、テーブルに放り出された手帳には、  you  と、書かれていた。 「96・アザミ班」/完
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