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そもそもアザミ班長を女だと勘違いしてしまったのは、片岡の言葉が原因だ。
君も容易く誘惑されんようにな。
そう言っていた。つまり……そういうことなのか?
だったら問題ない。
こんなニヤついた失礼な野郎が何をしたところで、自分が心を奪われるわけなどない。
自分の任務を遂行するためにアザミ班に所属する。
この男とは、それだけの関係だ。
「彼が氷動巡査長だ」
そう紹介すると、片岡はアザミに氷動に関する資料を手渡した。
「……ん?アレのサイズの記載がねぇな。俺のを教えたら、氷動のも教えてくれるかい?」
いきなりシモネタかよ……。
無表情ではあるが内心うんざりし始めている氷動に向かって、アザミがニタリと笑った。
「歳は25か。俺より15も若いなんて、うらやましいねぇ」
そう言うとソファをゆったりと立ちあがり、氷動に近づいてきた。
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