【03】アザミ班長

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 そもそもアザミ班長を女だと勘違いしてしまったのは、片岡の言葉が原因だ。    君も容易(たやす)く誘惑されんようにな。  そう言っていた。つまり……そういうことなのか?  だったら問題ない。  こんなニヤついた失礼な野郎が何をしたところで、自分が心を奪われるわけなどない。  自分の任務を遂行するためにアザミ班に所属する。  この男とは、それだけの関係だ。 「彼が氷動巡査長だ」  そう紹介すると、片岡はアザミに氷動に関する資料を手渡した。 「……ん?アレのサイズの記載がねぇな。俺のを教えたら、氷動のも教えてくれるかい?」  いきなりシモネタかよ……。  無表情ではあるが内心うんざりし始めている氷動に向かって、アザミがニタリと笑った。 「歳は25か。俺より15も若いなんて、うらやましいねぇ」    そう言うとソファをゆったりと立ちあがり、氷動に近づいてきた。
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