【03】アザミ班長

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 途端に氷動のスーツの下で、体中から汗がじわじわと滲み出てくる。    アザミは氷動のすぐ右隣りで止まった。  横顔にアザミの視線を感じる。  しかし氷動は正面を向いたまま、アザミの方は見なかった。    先程のようにひどくはないが、まただ。  体が熱い。  こんな感覚は初めてだ。  今はアザミ班長に腕をつかまれたり、初めてこの部屋に足を踏み入れた時の状況とは違う。  まさかアザミ班長は超能力者なのか?  だがそうなると、超能力などない自分がアザミ班に入れられた意味が分からない。    突然、気配を感じる間もなく氷動の眼鏡がはずされた。 「……!」  思わず氷動はアザミを見てしまった。  近距離で視線同士がぶつかり合う。  人間の心の奥を数えきれないほど見透かしてきたような目だ。  危険だが魅入られてしまう。  アザミの目を見た氷動は本能的に感じた。
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