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「アザミ班長と公私に渡って付き合う必要は、全くないのだからな?今後任務をする際、必要があると思った時だけアイツを利用すればいい」
「……片岡部長。一つ質問してもよろしいでしょうか?」
「構わんぞ。なんだね?」
「今までにアザミ班長と初顔合わせした新人たちは、全員、今日の自分と同じような歓迎を受けているのでしょうか?」
「ん?ああ、アイツの洗礼は、すべての班員が受けている」
あの訳の分からない現象を体験したのは、自分だけじゃなかったのか。
氷動は少しだけ心が軽くなった。
「だが……」
「?」
「……吐いた奴は、初めてだ」
地味に追加された片岡の言葉に、氷動がショックを受ける。
つまりアザミ班に入る時点で他の班員たちに比べると、自分が一番「弱い」ということか。
鍛え抜いた警官としての技術や体力には、少なからず自信があった。
自分が精神的に弱い人間とも思ってはいない。
それなのに、まさか班員の中で一番酷い反応をしてしまうとは……。
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