【03】アザミ班長

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 優秀すぎると言われ「96」に入ったものの、きっと他の班員の実力は、そんな程度ではないのだろう。    自分は本当に班員としてやっていけるのだろうか。  しかしやっていける、いけないに関わらず「やっぱり『96』を辞めます」とはもう言えないのだ。  一度「96」に関わってしまった以上、チームを抜けるということは「死」を意味する。  氷動は「考えるだけ時間の無駄だ」と開き直り、窓の外に目を向けた。  そこには氷動がパトカーを運転しながら毎日のように見ていた街の景色が、変わることなく広がっていた。
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