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「……あんた、警察ってことはないだろうな?」
万が一ということもある。
「ん?日本じゃ海外みたいにおとり捜査は出来ないって、聞いたことあるぜ?」
「詳しいじゃないか」
「まぁ俺も真っ白な人生ってわけじゃないんでね」
アズミは、そう言うとグラスの酒を飲み干した。
「ふん……表向きは禁止されているとしても、警察の連中だって裏じゃ分からんからな」
「経営者だけあって用心深いんだな。俺、警察手帳も拳銃も持ってねぇけど」
岩原に酒を注いでもらいながら、アズミはいたずらっぽく笑った。
「信じてもらえるなら、今ここで身体検査してもいいぜ?」
ズクンッ!
岩原の下半身を甘い痺れが固まりとなって直撃した。
しかし彼は動揺を隠しながら、先程までと変わらぬ口調で言った。
「ほぅ……それじゃ脱ぐか?ズボンもだぞ?」
そんな岩原の心中など気付かぬように冗談まじりのストリップのような動きで、アズミは着ているのもを一枚ずつ脱いではソファに座って眺めている岩原に投げていく。
「服も調べてもいいぜ?」
アズミの匂いと温かさの残る衣類は、岩原の体温を一気に上昇させた。
汗が全身から吹き出し、鼓動が早くなったのが感じられる。
あきらかに自分はアズミに対して激しく欲情しているのだと、岩原は認めざるを得なかった。
だがこの感情に気付かれたら、逃げられてしまうかも知れない。
岩原は限界まで平静を装い続けることに決めた。
「な?何も持ってねぇだろ?だから俺を裏カジノへ……」
ついにボクサーパンツ一枚になったアズミは「これで裏カジノへ連れて行ってもらえる」と期待しているようだった。
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