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「そう怒るなよ。アンタが可愛くて、つい、な?」
なだめるように目元や頬に軽くキスをおとしながら、黒沼はアザミのワイシャツの残りのボタンもすべて外した。
そしてアザミの唇から首筋へ、豊満な胸の谷間を通り、綺麗に鍛えられた腹筋の中央の筋をなぞるように舌触りと味を楽しみながら、黒沼は頭を下ろしていく。
へそを通りすぎた辺りから体毛が茂り始め、性的な匂いが強くなってきた。
もう濡らしちまってるのかも知れねぇな……。
黒沼は唇を舐めると、アザミのベルトに手をかけた。
しかし自分以外の男のベルトを外す行為など、初めてである。
その上、散々欲情して手には汗をかいているため金具が滑ってしまう。
当然と言えば当然なのだが、ワイシャツのボタンを外した時のように容易くはいかない。
焦れた黒沼が「あぁ!くそっ!」と、思わず舌打ちをする。
その一方で、ここで交わるのはさすがに自分自身も無防備になりすぎると思い直したのか、
「俺はすぐそこのRホテルに部屋をとっている。一緒に来いよ」
と、自らホテルの部屋にアザミを誘ったのだ。
追跡班ならば、その言葉を聞いた瞬間「それでは遠慮なく」と喜んで突入し、黒沼の宿泊している部屋を徹底的に調べ始めただろう。
しかしアザミの目的は、そこではなかった。
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