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先ほどショッピングモールで黒沼にも見せた「アザミを束縛している、最低な愛人からのメール」を送ったのは、このマリネだった。
アザミは片岡から「黒沼の次の活動拠点を探り出して欲しい」と依頼された際、班員であるマリネに連絡を取り、今回の任務に参加させたのである。
茶色いレンガのショッピングモールの通路でアザミは黒沼の愛撫を受けながら、タイミングを見計らってケータイから合図を送った。
それを受信したマリネが、用意していた例の最低愛人メールをアザミ宛に送信した、というわけだ。
「可愛いマリネちゃんからのラブコールを、台無しになんてしねぇさ」
「ん~班長、台無しにしたことあるじゃないスか。信用出来ないスね」
「あん時ゃ、まだ俺も若かったのさ」
それを聞いたマリネが全力で抗議した。
「ん~今年の話っスよ!」
「そうだったか?」
と、アザミが、とぼけながら続ける。
「だが今回の黒沼の件、まだ一つ問題が残っているんだ」
「ん~完全に片付いたんじゃないんスか?」
マリネの声が仕事モードに切り替わった。
「ショッピングモールのひと気のない通路でアイツと、まぁ、おっ始めちまったんだけどよ。ホテルに行く直前で終了しなきゃならなかったんで、まだ体が疼いたままなんだよなぁ」
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