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マリネの笑い声が向こう側から聞こえる。
「ん~班長らしいスね!……って、今うずいてるスか」
後半、マリネが声をひそめて復唱した。
「ああ。どうしたもんかなぁ?」
アザミはマリネの反応が面白くて、わざとのんびりした声で言った。
「さすがに帰還途中に通りすがりの奴を引っ張り込むわけにもいかなかったが、もうこの件は報告を終えて任務完了だ。今から出勤途中のリーマンでも捕まえちまおうかなぁ」
「そんならボクが、今から行くスよ?」
「オメェ眠いんだろ?だったら遠慮するぜ。今後は忙しくなりそうだから、事故でも起こされたらマズいしな」
それはあまりにも正論で、マリネに反論の余地はなかった。
「ん~了解。たまに班長っぽいこと言うの、ズルいスよ~!」
「たまに、は余計だ」
「ボクが以前、班長にプレゼントしたオモチャ、手元にないんスか?お尻の部分が開くバニー服とセットの、小型バイブにウサギの尻尾がついてるヤツとか」
「おいおい、そんなモン持って任務に向かうわけねぇだろ」
そう言いつつ、アザミはニヤリと笑って、マリネに艶っぽく囁いた。
「まぁ、マリネの気持ちは嬉しく受け取るぜ。だから今回は俺の右手をオメェの右手と思って、自分で処理することにするわ」
アザミがそう言い終わらないうちに、
「じゃあ協力したご褒美に、その写真送ってくださいっス!動画だったらもっと嬉しいんスけど。ん~音声は消さないで……」
と、マリネがものすごい勢いで喰いついてきた。
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