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ケンジが拳銃を持っているとしても銃口を向けて脅す程度であり、まさか市街地で、こんなに安易に引き金を引くとは思わなかったのだ。
そんな常識的な考えが、この事態を招いてしまった。
「テメェ!邪魔すんな!」
ケンジはカギヤを銃把で思い切り殴りつけ、地面に崩れ落ちた彼に銃口を向けた。
その時、氷動がケンジ目がけて駆け出した。
「なに!」
一瞬、ケンジは二つの標的に振り回された形になった。
氷動は鉄を仕込んだ三段ロッドの柄の方をケンジに向けて、その顔面を狙って槍のように投げつけた。
ゴッ!
「ぎゃあっ!」
上手い具合にヒットし、硬質な音が響いた。
ケンジの足はふらつき、両手で顔面をおさえて苦しみ始めた。
「……ううっ!」
眉間を血が流れている。
さらに続けて攻撃をしたいところであったが氷動自身のダメージも大きく、ついに地面に膝を着いてしまった。
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