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ケンジはそれに気付くと、完全に標的を氷動に絞った。
「よくも、この俺に血を流させたな!テメェだけは殺す!」
銃口を突き付けられた氷動は激痛に油汗を流しつつも、一歩も引かずにケンジをにらみつけた。
ケンジの人さし指が引き金に伸びる。
その時だった。
車が停車する音、そのドアを閉める音、複数の足音が、ゲームショップの正面にある道路から聞こえてきたのだ。
「銃声があったと通報があったのは、この辺りだな!」
「全員、銃に気をつけて包囲しろ!」
「繰り返す!発砲に注意!慎重に行けよ!」
見回りの捜査員の存在を、すっかり忘れていた!
氷動とケンジは、ほぼ同時に思った。
「ヤバい……サツだ……包囲だと?捕まってたまるか!」
ケンジはパニックになった。
いつでもどんな時も、言葉ではなく暴力で解決してきた男である。
冷静に考えることは得意ではなかった。
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