【09】暴力の嵐

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 ケンジはそれに気付くと、完全に標的を氷動に絞った。 「よくも、この俺に血を流させたな!テメェだけは殺す!」  銃口を突き付けられた氷動は激痛に油汗を流しつつも、一歩も引かずにケンジをにらみつけた。   ケンジの人さし指が引き金に伸びる。  その時だった。  車が停車する音、そのドアを閉める音、複数の足音が、ゲームショップの正面にある道路から聞こえてきたのだ。 「銃声があったと通報があったのは、この辺りだな!」 「全員、銃に気をつけて包囲しろ!」 「繰り返す!発砲に注意!慎重に行けよ!」  見回りの捜査員の存在を、すっかり忘れていた!  氷動とケンジは、ほぼ同時に思った。 「ヤバい……サツだ……包囲だと?捕まってたまるか!」  ケンジはパニックになった。  いつでもどんな時も、言葉ではなく暴力で解決してきた男である。  冷静に考えることは得意ではなかった。
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