【09】暴力の嵐

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 氷動とカギヤもケンジたちと同様に、すぐこの場から逃げなければならない。  しかしカギヤから行動を起こす気配は感じられなかった。  ケンジから氷動をかばった時に、銃把(じゅうは)で殴りつけられたダメージがトドメとなり気を失ってしまったようだ。  氷動も腹部を拳銃で撃たれ、意識が朦朧(もうろう)としていた。  もしも警察病院にかつぎ込まれたら、秘密保持のために「96」に口を封じられるのだろうか。  せめてカギヤさんだけでも助けられたら良かったのに、自分には「96」でやっていくだけの実力がなかったんだ。  アザミ班長と初めて会った時の失態で、分かっていたはずなのに……  …………  …… 「やっぱりな」  ゲームショップの裏手で倒れている二人を見つけたアザミが呟いた時、すでに氷動の意識もなかった。
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