【10】ラブホテル組

6/11
前へ
/244ページ
次へ
 アザミは片岡の視点から考えて意見を言った。 「多分ダメだろ。一般に普及したら、俺たちの仕事がやりづらくなるかも知れねぇからな。『96』の秘密兵器の一つにしておきたいと思うぜ?」 「ん~やっぱりそっスかねぇ。まぁ『96』で、その都度(つど)買い上げてもらってるから、別にいいっスけど」  そんな雑談をしていた二人だが、アザミがあることに気づいた。 「……ん?おい、地図拡大してくれ」 「ん~どしたスか?」  地図を拡大すると交差点や主要道路、その場所にある建物の名称が表示される。  マリネはすみやかに指示通りに画面を操作し、アザミにスマホを手渡した。 「さっき画面を見た時から、オレンジ色の光が全然動いてねぇぞ?タイムラグがあるのか?」 「ん~それはないス。リアルタイムで光が移動して、居場所を表示するようになってるスから」  自信満々にマリネが力説する。 「だが……この場所、とっくにゲームショップから出てるよな?」 「そうスね。ここはコインパーキングって書いてあるス。ってことは、車を駐車させてるんじゃないスかね?」 「その場所に、もうデータを入れ終えた『食い逃げマン』があるってぇのに、なんでちっともオヤジの元へ帰還しないんだ?」 「スーパー大食いちゃんっス!」
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1484人が本棚に入れています
本棚に追加