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【2】
バイト先はいわゆる有名大学を目指すような進学塾ではなく、授業についていけないための補習塾。
生徒の大半は親に言われて無理やり通わされた子たち。
クラス20名に対して俺の声を聴いているのは片手で足りる数。
そのせいかお互いにやる気や必死さもどうも欠けている。俺としては楽でいいのだが。
ここでバンバン質問攻めにされていたら神経が休まらない。
それは大学の先輩から進学塾講師をして、ああいう塾でバイトはやめとけと教えられた。
「それじゃあこれで今日は終わりだ。小テストのプリントはこの箱に入れておくように」
ダルそうに問題を解いていた時とはまるで違う生徒たちは足早にプリントを箱に投げ入れると鞄を持って塾を後にした。おそらくこのあとどこかで遊んだりするんだろう。
俺もさっさとこの小テストの採点その他終わらせて帰りたい。
生徒たちには悪いが問題を解いている間なかなかいいフレーズが頭の中に浮かんだのだ。
それが消えてしまう前、一秒でも早くギターで奏でたい。
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