鈍感な彼女

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急に静かになった私を森元さんは三杯目のコーヒーを落としながら不審そうに見詰める。 その視線に私は更に体を縮込ませた。 「今日は随分と静かですね?私とじゃ、やはりつまらなかったですか?」 自嘲気味に彼が言う。 「違っ違います。すごく……楽しいです。森元さんこそ、今日はいつもよりも、口数が少なくないですか?」 そっと彼に視線を移した。 目が合うだけでこんなに心臓が苦しくなる。 恋という、その感情があまりにも自分の中で暴れまくり、何とも息苦しい。 「実は、今日……春さんにお伝えしたい事がありまして……」 そんな……あらたまって一体何を? その次の言葉が怖い。 今すぐその場から逃げ出してしまいたい。 聞きたいような聞きたくないような。 ヒリヒリと暴れまわるこの感情を、私は大声を叫びながら全て綺麗に吐き出してしまいたかった。
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