今夜も綺羅星の下であなたと。

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……どんなカフェが良いだろうか。 古民家が良い。 そこをセンス良く改築して。 カフェの売りは何だろう……。 それのヒントは叶多くんがくれた。 ハンモックカフェ。 イス型の、ではなく寝転がれる。 叶多くんのところで私もよく利用する、あれ。 ハンモックの生地にも色々な種類がある。 風通しの良い網。 メキシカンが定番のキャンバス生地。 そして叶多くんの使っているパラシュート生地。 それが梁に延びる何本もの柱によって垂れ下げられて……。 幾つも、まるで太い木の枝のように張り巡らせて、その距離が心地良いだろう。 ハンモックにしたら友達とのおしゃべりは相手の顔が見られない。 どうしようかと思案していたら天の声。 『それなら、一層の事おひとりさま限定カフェってのはどう?』 そう言ったのは叶多くんだった。 『あ、それ良いねぇ!』 かつて自分もカフェ巡りで思った。おひとりさま専用のカフェがあったら、どれ程落ち着くかと。 『おひとりさまなら、壁一面には本棚はどう?。夢芽の一押しの本でも漫画でも雑誌でも絵本でも、みんな並べてさあ』 『素敵!夜は外で焚き火も出来たら良いなぁっ、マシュマロとかパニーニとか焼いて。焚き火カフェだけは二人組限定にしない?仲の良い友達やカップルが焔を囲んで更に仲良くなれるように!』 焚き火の焔に照らされながら二人の語りは尽きない。
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