今夜も綺羅星の下であなたと。

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あの夜は本当に楽しかった……。 幾らでもアイデアは浮かんで。 ……そして、今。 目の前に広がる光景は……まさに『それ』だった。 叶多くんと話したもの全てが、実体化されていた。 「すごぃ……叶多くんっ、ここすっごく素敵っ!素敵だよ叶多くんっ」 興奮気味に叶多の腕を掴む。 「……だろ?夢芽の話聞いて……何かそれ、楽しそうって思って。で、作ってみた」 あ、俺がじゃなく大工さんがだけど、と慌てて付け足す叶多。 ぷっと思わず吹き出した。 「キッチンも見て。前にネット見せてこんなキッチンが良いって言ってたろ?」 ……ぁっ。 確かに以前そんな会話をしたことがあった。 使い勝手の良さそうな業務用キッチン。 その時に思った。 ……そんな理想のカフェを彼と一緒に出来たなら、と。 豊かに想像は広がり理想のカフェの夢はどこまでも広がっていった。 私が出来立てのチーズスフレにデコレーションをして、それをお客様に届ける叶多くん。 理想のカフェを妄想する。 私の隣には……そこにはいつも叶多くんがいた。
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