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「こっち、向いて?」
俺を甘やかす時のいつもの一途の声に、ビビりまくってた身体からふわりとチカラが抜けていく。
体勢としては、俺が一途を抱き締めてたはずだけど。なのに何故かもう既に形勢は逆転してて。
「すっげぇ嬉しい」
目線の少し下にある一途の顔がゆっくりと近づきながら、薄めだけど形の整った唇が重なってきて、
「光さん?」
「……うん」
「オレに全部任せて?」
一途の白い頬と微かに赤味の残る瞼を視界いっぱいに捉えてから俺は静かに目を閉じて、
甘ったるいくらいの口付けを頂戴し、久しぶりに腰が砕けたわけで。
そこから先は、まぁ、ご想像にお任せするとして。
痛みの方はというと、まぁそれなりにはあったんだけど、そんなものを超えたところにあった快楽も俺は愛おしいとか思っちゃって。
俺は、がっちりと一途に抱きかかえられて朝を迎えた。
………つーか、まっっっっっったく動けなかっただけなんだけど。
最初だし手加減するかと思いきや、3回戦とかホント信じらんねぇ!
お前の下半身どうなってんだよ!若いな!流石だな!どうせ俺はオッサンだよ!アラサーだよ!ってほっとけバカヤロウ。
それでも。
朧げな意識で微睡む俺に「結婚しようね」とほざく一途に心の中で「何言ってんだ!」と突っ込みながら、
あぁ、俺今すげぇ幸せだな、とか思っちゃったりしてたわけで。
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