第2部

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俺の気も知らないで、明里も春陽も目をランランと輝かせ、矢継ぎ早に一途へ質問を投げかける。 「どっちから告ったの?」 「オレ、ですね」 「どこで?どんな風に?」 「……ふふ。ナイショです」 「光のどんなとこが好き?」 「全部です」 「やっぱハジメテって痛い?」 「それは……どうですかね」 「光、いい旦那になれそう?」 「そうですね……でも」 クス、と得意の嘘くさい笑顔で一途は俺を見つめた。 「光さん、痛かった?てか、うーんと優しくしたつもりだったけど?」 「え?」 「え?」 えーーーーっ? あぁぁぁぁぁぁ。 どんな仕打ちだよ! 家族に自分の夜の営みを知られてしまうなんて………。 「ってことで、光さんはどっちかというと奥さん、です」 頭を抱える俺。(そして多分親父も同じポーズをしてるだろう。キャッキャと騒いでるのは女性陣だけだから) あぁぁっ。顔なんか上げられるか!バカヤロウ。 「オレの可愛い奥さん」 そんな俺の肩を抱き寄せる一途に、 チュ、と薄い唇が頬に押し付けられて。 どうにでもなればいい!と思い、でもたったそれだけでポ、と赤くなって、しかもなんだか物足りない!とか思っちゃう、俺。 もう、色々、詰んでる。 「光、一途くん?お夕飯食べて行きなさいよ」 母親がそう言ってタエさんに目配せをした。 「はい」と、答える一途より大きめに「帰るから!!」と叫ぶ俺に、一途は。 「欲しくなっちゃった?」 耳元で俺にしか聞こえない声で囁いた。 その後。 帰ってからどうなったのか、も、 月曜日に俺は無事に出勤出来たのか、も、 それはまた別の機会にするとして。 俺のメンドクサイ恋の話は、 きっとずっと、 幸せなまんまで続いてく。 「光さん、オレ、まだ足りない」 「無理!もう無理!」 隣にコイツさえいてくれたら。 きっとずっと、 こんな風に。 *完*
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