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「いってらっしゃい」
そう言って一途は俺を。
スーツにシワが出来るほど俺を強く抱き締め、寝癖の頭もそのままで頬に唇を寄せた。
「……行って、きます」
たどたどしい俺の返事に、一途は「行きたくなくなっちゃった?」と頬からゆっくりと唇を滑らせた。
「それとも……イキたい?」
辿り着いた唇から吐息と一緒に漏れる言葉に、出勤前の俺の腰が甘く痺れる。
「お前なぁ……」
クス、と笑う声が鼓膜を震わす。
「ふふ、冗談冗談」
「ったく……」
「でも、満更でもないデショ?」
一途は背中に回していた掌をスルスルと下ろして腰を抱き寄せた。
男の、朝特有のその硬さ、を一途はわざとらしく俺に押し付ける。
「………夜まで待てる?」
「いい加減にしろ!この万年発情期!」
「あー、チンコ舐めたくなった。てか舐める!今舐める!すぐ舐める!」
「バカか!」
ズクン、とまた腰が熱くなる俺の方がバカだ。
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