動物レストラン

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その店はいつも行列ができて繁盛している。 「動物レストラン」 飼いならされた動物たちが、店員として働ている。 大好きなカピバラさんにチャーハンを注文した。 厨房では、カンガルーさんが中華鍋を振るってる。 いつ来ても、和む場所なのだ。 ただ一つ気になることが。 「アルバイトは募集しておりません。 こちらで働こうと思わぬように。」 変な張り紙だなと思いつつ、けどここで カピパラさんたちと働けたら楽しいだろうな。 と思った瞬間、意識が遠のいた。 どのくらい時間が経ったのだろう。 目の前にはカピバラさんが。 「あーあ、書いてあったのに。」 なんだか私、もさもさした毛で覆われている。 何!? 「あなた、カピバラになったのよ。」 私は絶叫した。 「もうここで働くしかないのよ。カンガルーさんも、 ゴリラさんも、みんなこの店の常連客だった。 ここで働きたいという思いが動物に変えてしまうのよ。」 そしてまた私は気を失った。 何かいいにおいがする。 体を起こし、飼育員さんがくれる草をほお張った。 私は人間になる夢を見ていた。
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