21.[番外編 リ、リアリィ?~really?~]風邪と共に去りぬ

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いや、正確には殴ろうとしたのだが、 その直前で避けられてしまう。 仕方なく、そのまま頭突き。 これまた避けられたので、 今度は膝を勢いよく上げ、急所蹴り。 またまた避けられたので、 次は反対の脚で脛を蹴…れない。 右手で鳩尾を殴…れない。 じゃあ左手で頬を打…てない。 鉄壁のディフェンス。 さすがとしか言い様が無い。 ゼエゼエ息をしていると、 その口をドラゴンに塞がれた。 「まったく可愛いな、おい。 立場上、本音を言えなかったけどよ、 俺、アンタみたいなの、めっちゃタイプ。 こう見えてロリコンだからな」 「ロ、ロロロリコンって、 私もう25歳ですけどッ!!」 「54歳から見れば、25歳は子供だ。 ほおれ、どこもかしこもピンク色だろ? オッサンに見せてごらん」 「やだやだやだ、タンバたーん!」 子供が駄々をこねるみたいにして、 イヤイヤと首を左右に振っていると、 再びキスで口を塞がれた。 「んぐ、ふっ、むー」 ちゅぽっと音を立てようやく唇が離れる。 段々、接触時間が長くなってきたようだ。 続けて耳をペロペロ舐められ、 素晴らしいバリトン・ボイスで囁かれる。 「なあ、俺としよう?」 くるりと体をうつ伏せにして、 ひたすら拒否する私。 「私は好きな人としかしません。 好きなのは貴方では無く、 貴方の息子さんの方なのです」
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