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 西方警備隊の食堂で働くエトリは、いわゆる行き遅れと言われる年齢になっていた。  あと数日もすれば25歳になる。それまで病気の母を抱え、1人で看病と仕事の日々を送っていた。それも、母を亡くす半年前までの事だったが。  母と娘、2人きりで生きてきた24年の歳月は、誰かに頼る事もできず、無我夢中の日々だった。  母が病を患ってから7年。女性として、1番輝く時期は、家と仕事場と医者への往復で過ぎたようなものだ。  母の事を愛していたし、母を自分の手で看取れた事には満足している。だが、今こうして独りきりになって初めて、自分に残されたものの少なさを感じてしまうのだった。
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