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ベールの声音は、いつだって曇りなく真っ直ぐだった。それは若さ故か、ベール本来の性分がそうさせるのか。悲しみにくれるエトリの心に光をもたらすベールの声は、何時もよりもほんの少し大人びて聞こえた。
「エトリ、どうする?」
ガートの心配そうな問いかけに、エトリは小さく、だがしっかりと頷いた。
「お会いします」
しっかりとした返事を聞いて、ガートもまた頷きを返すと、玄関を開け放つ。
「エトリさん……」
久しぶりに見たベールは、今まで見たこともない真剣な表情を浮かべ、春の嵐の中から一歩こちらに踏み出した。
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