32人が本棚に入れています
本棚に追加
遠くから大勢の足音が迫って来るような気配がして、私はまた重いまぶたを開けた。
お父さんの友達の消防のおじさんに、水道工事屋さんのおじさん、大工さんにさっきの人、隣の農園のおじさん、保安官二人に、ケビンがいた。
「姉ちゃん!」と真っ青な顔をしていた。
担架に乗せられて、私は牧草地を移動していく。
気分とは裏腹に、空は青く澄み渡っていて
とても綺麗だった。
私は不思議な気分に浸っていた。
分岐点に来ると、そこに停めてあった救急車に乗せられて、地元では一番大きな病院に運び込まれた。古い柵の丸太が腕に突き刺さり、貫通して脇に刺さっているのを除去する手術を受けた。入院ベッドに横たわった頃、お父さんが遠方から戻ってきた。
最初、お父さんは滅茶苦茶に泣いていた。
そして案の定、ものすごく怒られた。
私は泣きながら怒っているお父さんを見て、一緒に泣いた。
お母さんが死んだ時、我慢して流せなかった分の涙まで全部洗い流す勢いで、号泣した。
そのすぐそばで、ケビンも一緒になって、家族三人でバカみたいに泣いた。
一か月後に退院して、やっと自宅に戻ってからすぐにあの問題の納屋に行ってみた。
そこには血の付いた手型がいくつも残されていた。
ケビンはあの日、朝起きて私がまだ帰っていないことに気付いて外に出てみると、そこらじゅうに血と泥の手形が着いていることに驚いたと言っていたけれど、本当に私が付けた跡が沢山残されていた。
最初のコメントを投稿しよう!