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チュッと、痕がつかない程度に軽く吸われて、演技なんてしなくても自然に声が溢れてしまう。
抱き抱えられるようにして、久坂さんの逞しいカラダにしなだれかかっている私の腰を支えている手が、ユルユルと別の場所を彷徨い出して、気まぐれにお尻を撫でたり揉んだりするのに、鼻から抜けるような甘い声がひっきりなしに洩れた。
「シ、シャワー。」
ドサリと押し倒されて、それでもそんなことを言ったのは、私の理性の最後の抵抗。
本当は一刻も早く素肌に触れられたくて。
彼のモノになりたくて。
今だけの夢なら、ホンの少しでもたくさんの夢を見せて欲しい。
「イイ匂い。たまんねぇ。」
喉の窪みのあたりで、呻くような色っぽい掠れ声でそんなことを囁かれて、全身に痺れが走った。
私の体にのしかかっていた体を起こした久坂さんが、私に跨ったままネクタイに指先をかけ、ねっとりとした視線で私のカラダを撫でて甘く誘惑してくる。
「我慢できねぇよ。このまま、……ダメか?」
「自……分が、シャワーを浴びたいって、言ってたくせに。」
情熱的な誘い文句に、カァッと頭に血が昇った。
まるで、私に恋しているみたいな蕩ける眼差しで見られて、柔らかく触れてくる指先の熱に、わけのわからないことを口走ってしまいそうになる。
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