出会い

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「そのまさかだよ。忍び一族… 甲賀一族の嫡子が在籍してるんだよ。何れ、甲賀一族の長となる彼は正統な後継者でね、余計な火種を避ける為と今のうちに血生臭いことに慣れていたほうがいいという一族の長である父親の考えで、側近と共に姿と名前を変えてうちの学園に通っているんだよ。 副産物とは言ったけど、その薬も元を辿れば甲賀の協力があってこそ出来たものだからね。なにせ、あの一族は情報を探る工作員としてはもちろん優秀だけど、忍術の流派の中でも、特に甲賀は薬の扱いに長けていることで有名なんだよ」 …ま、知らない人間のほうが多いと思うけど。 「彼らは薬に長けている一族。万が一、南くんが暴走したときに唯一止めに入れる可能性がある人間だよ。まぁそれに、南くんが東条自由ヶ丘学園に入るほうが彼から一族を通じて薬の調達がしやすいからね」 まあ、あの子が学園に今後どう関わって来るのか、僕はさっき口では反対とか雪斗に言ったけど、この退屈な日常を刺激的な日常に変えてくれるのではないかと、あの子がうちの学園に入るのを秘かに楽しみにしている自分がいた───。
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